母のような自立できない女性になりたくない>って思っていたんです」 ゆかりさんが小学5年生になるころには、父の性虐待はエスカレートしていった。
そこには性を受けていた2. 「冒頭のAさんは、義父から性虐待を受けていました。
でを営むさん(49)はでを務めた父(76)との母(73)のもと、一人娘として育った。
「父は、私が言うことを聞かないと、『おまえの育て方が悪い』と言って、すぐに母を怒鳴るんです。
父から受けた性虐待の、もっとも古い記憶は4歳当時のもの。
怖くて、これまで見られずにいた。
父の暴力は、母にも向けられた。
「『子どもの裸はけがれなくてきれいだから』と。
早く家から出るしかない、と」 高校卒業と同時に、就職先も決めず家を飛び出し、大阪に出た。
私は、父に自分を差し出すことで、居場所を確保していたんです」 父がしてくる行為を、<おかしい>と感じたゆかりさんは、何度も父に、「これは間違ったことじゃないの?」と尋ねたが、「ほかの家でもよくあることだ」と言われ、どうすることもできなかった。 「この世から消えてしまいたかった。 「幼いころから性虐待を受けていたら『抵抗してもムダ』という気持ちになるんです。
19「父の顔は見たくなかったけど、母には会いたくて。
しかし、多くの問題が残っている。
このことが世間にバレたら、お父さんが会社をクビになって、私たち、ご飯が食べられなくなるから黙っておくのよ」 ゆかりさんの心は、母の言葉によって完全に殺された。 だから母は、泣きじゃくる私のお尻を自分も泣きながらたたいたり、火を消してまだ熱いマッチ棒を、私の手に押し付けたりしたこともあります」 子どもながらに、<母は、どうして父の言いなりなのか。
8拒否できなかった自分が悪いんじゃない。
母は、専業主婦だった。