「お願い! ここは君が死ぬ直前に配信されたイベントシナリオの時間軸だからね』 「えっそうなんですか! 主人公は願いを叶える特別な魔法「聖なる力」が使える存在で、シナリオによってはその力を狙って主人公の争奪戦が始まったりする。 急いでベッドを降り、私は大きな鏡に走り寄った。
まさに明るくなった。
ヒロインの本命はルナリアの主人だった!? 本命キャラを攻略せんと色仕掛けで迫るヒロイン ヒドイン だが……? 第一章 夏休みが明けたら物語は第二部へと移行する。
しかも転生したキャラクターはヒロインの前に立ちふさがる悪役令嬢アナスタシア。 「王国随一の『優しく美しく誰にでも愛されるお嬢様』だと思っております! 自慢のお嬢様です!」 なるほど。 後は無事高校を卒業して、進学はあいつらには無理だろうから就職のために色々勉強させなきゃななんて街の見回りをしていたその日。
」 激しい勢いで両側からムギュッと抱きしめられた。
まさに世界が追い求める主人公なのだ。
軽やかな小鳥の声が聞こえる。
神運営。
ゲームのキャラに転生して、人生やり遂げるって。
中身は変わってないです。
回避しようと奔走する中、ウィステリアはブライトの気持ちを知ってしまう。
だって死んだの、さっきですよ! ジャンルもTLではなくただのラノベにしてほしいほど。 見事、人生をまっとうしたら、願いごとを叶えて貰えるっていう……!」 『もちろんだとも。 皆の前で己に消滅魔法をかけたように見せかけた事で公爵令嬢リディアは死んだ。
よかれとやったことは報われず、お人好しと呼ばれるだけで終わっていた。
その間にも別のメイドが手際よく熱を測り脈を取っていく。
でも今回の私の人生はそのルートに「乗っかってクリア」すればハッピーエンドなのだ。 さらには、今までアナスタシアに興味が薄かった王太子までちょっかいを出してくるようになる。
12この世界がR18指定の乙女ゲーム、「白薔薇の乙女」の世界で、私が悪役令嬢だという事に。
『腰が低い割に要求が多いね! 断罪・引退ルートか、隣国の王子と攻め込みルート……。
クロゼットの脇、全身を映す鏡の前に立ち、目を丸くする。 魔法の力も「手芸魔法」や「料理魔法」「花壇魔法」など小規模で可愛らしいものが多く、メインシナリオはいつも明るく楽しいハッピーエンド。 もう考える力は残っていなかった。
14でもこれ、えっと私の人生って……まさか……。
おまけに今回はクリアボーナスもあったはず。
彼との婚約を目指し、悪評にもめげず努力を重ねる。
風が吹き抜ける。
スマホに映されていたゲーム。
前世ではアラサー喪女だったから、「生まれ変わったら、モテモテの人生がいいなぁ」なんて妄想したのを覚えている。
記憶が混乱しているけど、たしかこの子は私の専属メイドでフランチェスカ。