心臓や脳の血管が動脈硬化を生じることで血管が閉塞したり破裂する危険が高くなるのです。 このため、何の症状もないまま心筋梗塞や脳卒中などで突然死することもありますので、脂質異常症を指摘されたことのある人は必ず病院で適切な検査・治療を続けるようにしましょう。
12Am J Cardiol 2010, 106:1594)、その併用には注意を要します。
薬物療法 脂質異常症の治療は食事療法と運動療法が基本ですが、それでも症状が改善しない場合や既に動脈硬化が見られるなどすぐにでも血中脂質を低下させなければならない場合には、薬物療法も行われます。
パームヤシやカカオの油脂、インスタントラーメンなど加工食品にも含まれています。 しかし、脂質異常症を発症すると徐々に血管内膜が傷つけられて動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクが高くなります。
3そして、血栓ができると動脈血管が狭くなり、場合によっては血管が詰まってしまい、血流が阻害されるのです。
食生活の欧米化や飽食による肥満症の増加が考えられております。
HDLコレステロールの値が低すぎるとよくないとされるのはこのためです。 図7 食事の栄養をバランスよくするポイント コラム(1) 体にいい脂をとろう コレステロールが高いと言われたとき、コレステロールの摂取量が問題になるのは当然ですが、それだけ気をつければいいのでしょうか? 実は、摂取する脂肪 の種類も、コレステロールや動脈硬化に影響を与えるため大切です。 近年、ライフスタイルの欧米化が進み、脂質異常症と診断される人が増え、それに伴って動脈硬化症の人が増えてきました。
2しかし基本的には食事療法と運動療法によって、改善や予防が可能とされます。
発症しやすい因子としては、高齢、腎機能低下や糖尿病、甲状腺機能低下の合併があります。
腎臓病 脂質異常症あるいは脂質異常症を含むメタボリック症候群によって、動脈硬化が腎臓の血管に生じると、腎機能が低下して慢性腎臓病に至る危険性・リスクがあります。 そこで運動効果の上がる歩き方と、初心者でもできる走り方のコツを紹介する。 図6 脂質の目標値 食事療法.。
20週3日以上行うほうが効果的でしょう。
脂質異常症というのは、これらの脂質の中でも特に悪玉(LDL)コレステロールや中性 脂肪が多すぎる、あるいは善玉(HDL)コレステロールが少なすぎる、などの状態を示す病気のことです。
日本動脈硬化学会のガイドラインにはこれらのリスクに応じた目標値が決められています<図6>。
血栓の一部が血流に乗って脳などに運ばれ、細い動脈を塞ぐことで脳梗塞を起こすおそれもあります。
このような偏った食事では脂肪分の代謝を助けるビタミンやミネラルも不足するため、血中脂質は増える一方となってしまいます。 中性脂肪値が上がる原因となるのは、果物や甘いお菓子の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなどです。
10当院では風邪やインフルエンザなどの内科をはじめ、喘息などの呼吸器科、狭心症や心筋症などの循環器内科、生活習慣病や甲状腺の病気も診察しております。
ウオーキングや水泳などの有酸素運動を中心に、1回30分以上、少なくとも週3回行う。
運動の注意点 現在、治療中の病気がある場合は、主治医にどのような運動療法が可能かを確かめてください。 この食事療法と運動療法の組み合わせで、コレステロール値や中性脂肪値の目標値に到達できな場合に薬物療法を実施します。 では、脂質異常症と言われたら、どのように動脈硬化を予防したらよいのでしょうか? 治療は、まず食事療法、体重の是正、禁煙、運動療法といった生活習慣の改善<図5>から始めましょう。
5「3~6カ月生活習慣を変えても改善しない場合には薬による治療を考える。
食事中の飽和脂肪酸と血中のコレステロールとの関係は、食事中のコレステロールと血中のコレステロールとの関係よりも強く [2] [3]、LDLコレステロールが高い人がまず第一に行うべきことは、飽和脂肪酸のとりすぎを改めることです。
脂質異常症の症状 脂質異常症となっても、自覚症状が現れないことがほとんどです。 コレステロールの種類と特徴 まず、 善玉・悪玉コレステロールの違いです。 動脈硬化が進行すると全身の動脈が硬 くなり、次第に血管の内側が狭くなって血液が通りにくくなります。
19例えば身長165cmで中労働の人なら1. N Engl J Med, 2008, 359; 2195)。
日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版.一般社団法人日本動脈硬化学会:東京,2017.• LH比は、LDLコレステロール値をHDLコレステロール値で除して(割算して)求められる数値のことです。
当院では、なるべく内服薬に頼らない食事療法や運動療法を検討し、もし内服が開始となってもその後に内服の減量や休薬ができるよう、定期的な生活習慣の確認や、血液検査による経過観察などでサポートできればと考えております。 甲状腺機能低下症や副腎皮質ホルモン分泌異常といったホルモンの分泌異常、糖尿病や腎臓病などの他の疾患、ステロイドホルモンや避妊薬なども影響するとされます。 動脈硬化で血管が詰まる過程 1. 日常生活の留意点• 1日30分程度(1週間合計180分以上)、毎日行うのが理想的です。
6まずは食事を見直す。
脂質異常症の診断基準 このように脂質異常症は、高トリグリセリド血症・高LDLコレステロール血症・低HDLコレステロール血症の総称ですが、具体的にどのような状態になると脂質異常症となるのでしょうか? そこで、脂質異常症の診断基準について、ご紹介したいと思います。