細谷川。
なお、史実と虚構を織り交ぜた、拙作「俺のラノベは平安絵巻」も楽しんでいただけると幸いである。
(五七段) 職の御曹司の西面の立蔀のもとにて、頭辨の、人と物をいと久しくいひたち給へれば、さし出でて、「それは誰ぞ」といへば、「辨の内侍なり」との給ふ。 物語・集など書き写すに、本に墨つけぬ。 などさるものをばおきたる」など實にさぞありけんと、いとほしくもをかしくもあり。
9急ぎたるは輕々しく見ゆ。
123;じて、犬島につかはせ。
世間体が悪い」などと言われ、ちょっとため息なんかついているのは、本当にもっと一緒にいたいのだろうと思わせる。
新參のさしこえて、物しり顏にをしへやうなる事いひ、うしろみたる、いとにくし。
男と女とはいうまい、女同士でも、関係が深くて親しくしている人で、最後まで仲が良いことはめったにない。
それをも安からずいふ。
牛飼は大にて、髮赤白髮にて、顏の赤みてかどかどしげなる。
などかは見じとの給ひしに、さつくづくとは」といふに、「女は寢おきたる顏なんいとよきといへば、ある人の局に行きてかいばみして、又もし見えやするとて來りつるなり。
うへの渡らせ給ひて、語り聞えさせ給ひて、「男ども皆扇に書きて持たる」と仰せらるるにこそ、あさましう何のいはせける事にかと覺えしか。
あはれ…「あわれ」と読みます。
などかはさしもうち解けつる」と笑はせ給ふ。 (八九段) 物のあはれ知らせがほなるもの 鼻たるまもなく、かみてものいふ聲。 御鏡をもうちおきて、「さは翁丸」といふに、ひれ伏していみじくなく。
11「遠江の濱やなぎ」などいひかはしてあるに、わかき人々は唯いひにくみ、見ぐるしき事どもなどつくろはずいふに、「この君こそうたて見にくけれ。
しじかみたる髮に葵つけたる。