その……だから」 言いながら窓を必死に引っ掻くヴィーが可愛らしくて、わたくしは窓を開けるために立ち上がる。 恥ずかしいからヴィオル様には言わないでね」 黒猫ちゃんのお鼻を指でツンとつついて、「もうちょっとだから食べてしまって頂戴ね」とわたくしは残り少ないタルトの部分を差し出す。 。
7自分の思い込みで暴走し、婚約者以外にときめき、我が道を通そうとする。
【このレビューはネタバレを含みます】 『ざまぁされるヒロインを主役にした物語』とはこう言うものだろうか、と思えるほどご都合主義にあふれた作品です。
この本に携わってくださった方々のおかげで大変素敵な本に仕上がっておりますので、楽しんでいただけると嬉しいです!. 相手が黒猫ちゃんだとはいえ、集中して聞かれるのはなんとなく気恥ずかしい。 (2021年03月01日 18時55分現在) 通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。 ゲホゴホガハッっと盛大に咽せまくって、小さな体が苦しそうに揺れる。
18俺もそういうものだと聞いたことがある」 「ヴィーってやっぱり物知りなのね。
どうしましょう、猫ちゃんが咽せたときってどうしたらいいの?」 せ、背中をさすってもいいものかしら。
そんなには真実から外れていないと思っていたのだけれど」 「お……主は?」 「え?」 「主はなぜ申し込んだと思ったんだ?」 ヴィーの大きくて真っ黒な瞳がわたくしをまっすぐに見つめていて、なぜか照れてしまう。
だってダンスの時に見上げたヴィオル様の瞳の色に、本当にそっくりなんですもの。
辛口で評価を書いてしまいましたが、これらをうまくまとめる手腕に素直に期待もしています。 それにマシュロ様が好きなのはマリエッタですもの、きっとわたくしはダンスの練習台だと思うの。
4入手できないこともございます。
そっと背中を撫でていると「ありがとう、もう大丈夫だ」と顔を上げてくれた。
「セレン嬢」 「なぁに?」 「俺はその、主の気持ちまでは分からないが」 そこまで言って、急にヴィーはわたくしの手を離れ、テーブルから窓下へとジャンプした。
「ああ驚いた。
「ちなみに、さっきセレン嬢は色々な事情があってダンスに誘ったと思う、と言っていたが、思いあたる事でもあるのか?」 「ボーデン様は多分、ヴィオル様を助けるためにわたくしにダンスを申し込んでくださっただけだし、リース様はボーデン様に頼まれたのかも知れないわ。 (なろうで読んでいる際も思いましたが)一巻でまとまりそうな話を長引かせ、しかも一冊が高く、試し読みもできない所も星マイナスの要素です。 猫ちゃんも咽せたりするのね」 「俺も初めて知った」 「本当にもう大丈夫? お水でもどう?」 「いや、やめておく。
7独り言に近いような言葉だった。
本人に聞かれたら「バカなことを」と一笑に付されても仕方のないことだと思いながら、わたくしは囁いた。
「きっと責任感が強い方だから、わたくしが魔術をちゃんと使えているかの確認だと思う、とマリエッタには言ったのよ。 ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。 さまざまな人を不幸においやる結末しか見えませんが、それをどう「円満」にカタを付けるのか。
それが分かったのか、ヴィーも大人しくタルトの残りをはぐはぐと口に入れる。
わたくしも知識としては知っていたのだけれど……今まで誘われたことがなかったものだから自分ごとだとは思えなくて、実はマリエッタに叱られたの」 「妹御にか。
「ごめんなさいね、わたくしが変なことを言ったばっかりに」 「いや、別にセレン嬢のせいでは……それに、その……妹御が言うことも一般的にはあながち間違いではないだろう。 あとは自分で考えてくれとばかりの態度に、わたくしはなんだか可笑しくなってしまって朝日の中で声を潜めて笑った。 どうしてヴィーがあんなに照れているのかしら。
10けれどヴィーは焼きプリンタルトをがっつくのをやめて、耳をピクピクと動かし聞き耳をたてるような素振りをしている。
別に答えが欲しかったわけじゃない。
立ち上がったせいでさっきよりもヴィーの黒い瞳が間近にあって、ああ、やっぱり綺麗な瞳だと感じた。 面倒なだけだと思っていたが、そう言われると確かに妹御の言うこともわかる」 「そうでしょう? あんなにたくさんの人から申し込まれて、きっと面倒だと思うこともあるでしょうに、マリエッタは偉いわ」 わたくしがそう言うと、ヴィーは興味深そうにわたくしを見上げてこう言った。 いつにない行動に感動して、ヴィーの気持ちよさそうな顔から目が離せずにいたら、急にパチリとヴィーの目が開いて、わたくしをじっと見上げてくる。
2やがてわたくしの顔を緊張した面持ちで見上げて……また視線を逸らした。
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